東京地検特捜部は、“AI議事録”サービスを手がける会社の前社長ら4人を粉飾決算の疑いで逮捕しました。

金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたのは、AIを使った議事録作成サービス「AI GIJIROKU」などを手がける「オルツ」の前社長・日置友輔容疑者(34)や元社長・米倉千貴容疑者(48)ら4人です。日置容疑者らは「オルツ」の売上を水増しして有価証券報告書などに虚偽の記載をした疑いがもたれています。

特捜部によりますと、「オルツ」は2022年からの3年間で売上高を実際の7倍以上に水増ししていて、粉飾額は110億円に上るということです。

日置容疑者らは、複数の業者間で取引をしたように装って「オルツ」に金を戻す「循環取引」と呼ばれる手口で、売上を水増ししていたとみられています。

「オルツ」は去年10月に上場しましたが、すでに上場廃止となっていて、日置容疑者は9月の株主総会で「経営陣として正しい会計処理を行う意識が不十分だった」と話していました。

特捜部はきょう、「オルツ」の本社を家宅捜索し、不正会計の実態解明をさらに進めるものとみられます。

特捜部は逮捕した4人の認否を明らかにしていません。