10月7日に発足した自民党の新執行部。副総裁には麻生太郎氏が就任し、その義理の弟である鈴木俊一氏が幹事長に、有村治子氏が総務会長に選ばれるなど、“麻生派”の名前が目立ちます。
この顔ぶれを見た野党からは、「麻生カラーが強い。高市カラーが全然ない。古い自民党の復活」(立憲・野田代表)といった声も上がっていますが…
麻生太郎氏がバックについた高市体制はどうなるのか?国民にどのような影響を与えるのか?政治ジャーナリスト・武田一顕氏の見解をもとにお伝えします。
麻生氏による「二人羽織政治」 “闇将軍”と言われたあの人も…
今回の自民党総裁選、そして役員人事に大きな影響を与えたとみられる麻生太郎氏。自身は副総裁に就任し、幹事長には義理の弟が起用されるなど、高市執行部は“麻生派”の目立つ布陣となりました。
政治ジャーナリストの武田一顕氏が「麻生さんが『うん』と言わないと立ち行かなくなる」と指摘するこの新体制。麻生副総裁が高市総裁のバックにつく、いわゆる「二人羽織政治」となるのでしょうか?実は、過去にも似たような例がありました。
総理辞任後も強い影響力を持ち、“闇将軍”とも呼ばれた田中角栄氏です。実質的に中曽根内閣を作ったと言われ、「田中曽根内閣」と揶揄されるなど実権を握っていました。
このように、自民党内の実力者が次期政権をつくったと言われる例は他にもあります。
▼金丸信氏(竹下派)⇒宇野内閣・海部内閣
▼森喜朗氏⇒小泉内閣・安倍内閣(第一次)
▼安倍晋三氏⇒菅内閣・岸田内閣
宇野内閣が倒れた際、金丸氏は当時影響下に置いていた小沢一郎氏に対して、「今度はお前がやれ」と言ったそうです。