「若い人の研究時間を確保するような施策を」次世代を担う研究者への支援を要望

会見中に北川さんへ、文部科学大臣から電話がかかってきたのですが...

京都大学 北川 副学長
「切れたの?」

うっかり電話を切ってしまった北川さんでしたが、次世代を担う研究者への支援については、しっかりと要望を伝えました。

京都大学 北川 副学長
「基礎研究を非常にちゃんと重視する、基礎研究というのは息の長い研究です。それをぜひ大きくやるような施策をお願いしたいが、まず第一に、若い人の研究時間を確保するような施策は必要だと思います」

将来を担う子どもたちへのメッセージは…

京都大学 北川 副学長
「子どもたちに言うのもちょっと難しいかもしれないけど、細菌学の父であるルイ・パスツールは『幸運は準備された心に宿る』、そういう名言を残している。

やはり良い先生に恵まれて、そして友達に、そして学会でのいろんな付き合い、それが実は準備された心。ある日、突然宝くじを引いたから当たるものではないということを言いたい」

北川さんの研究は、さまざまな分野への応用が期待されています。

地球温暖化の原因になっているメタンガスや二酸化炭素などの気体をうまく取り除いたり貯蔵したりできれば、気候変動やエネルギー問題の解決につながるのです。

北川さんの座右の銘は「無用之用」という、中国の荘子の言葉。「役に立たないように見えるものも実際は役に立つ」という意味です。

京都大学 北川 副学長
「全く穴が開いていない、密なものというのは非常に安定。安定なんですけど、穴が開いてくると壊れますよね。その穴を一体何に使うのかという風に考えると、『穴』と考えると無用なんです。ところが、その穴に原子や分子を入れ込んで溜めたり、いろいろ変えたりしていく、そう考えると役に立ちます。すなわち、考え方をひとつ変えるだけで役立つんですね」