株価は急騰 物価高対策は? 高市新総裁でどうなる?

藤森祥平キャスター:
この高市新総裁によって、世の中にどんな影響が与えられるのか、星さんに伺っていきます。
まず、株価が急騰しました。これはアベノミクス路線を継承して、積極財政と金融緩和への期待感が高市さんに対してあるからだと見られています。
前回の総裁選でも高市さんは「いま利上げはアホ」など、日銀を牽制するような発言もしていました。こういうこともあり、6日、2か月ぶりに円安が進み150円台をつけているということで、これによって株価が上がった。市場は経済的に歓迎ムードであると?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
株価は上がってますけど一種のオーバーヒート、過熱気味ですよね。さらに円安になっていますので、物価高がどんどん進んでいくと。これに対しては「利上げ」っていうのが有効な対策なんですけども、高市さんは「利上げ反対」だと、景気がちょっと落ち込みますからね。日銀は今月末に会合があるんですが、利上げに踏み切りにくいんですよね。
そうすると、物価高がさらにどんどん進行して、結果的には国民が望んでいるはずの物価高対策が進まないということになって、政権が行き詰まるというところに繋がってくる恐れが出てるんですよね。

藤森キャスター:
それから、靖国神社参拝についての発言。会見で対応については「適時適切に判断させていただく」と述べるにとどめていますが、今後どうなるのかも注目ですし、公明党の斉藤代表は靖国参拝について、「現実に外交問題にこれまで発展してきている。我々は懸念を抱いている」という話もしています。
小川彩佳キャスター:
少数与党という中ではありますけれども、今後、公明党との関係性は?
星浩さん:
公明党はこれまで「下駄の雪」と言われていましてね、踏まれても付いていくだろうということなんですけど、今回はどうも様子が違うんですね。
公明党は、やはり高市さんのタカ派的体質に非常に懸念を深めていまして、具体的に三つ。「歴史認識と靖国問題」「外国人との共生」、それから「政治と金の問題」をちゃんとしっかりと解決を見せて欲しいと言ってるんですね。
これは実は高市さんにとってはそう簡単なことではありませんので、これで揉めて、もしかしたら、公明党の連立離脱ということになったりすると、与野党含めて大変な混乱になりかねないという状況ですね。

藤森キャスター:
確かに「裏金問題」が決着したかどうかっていうことを、news23の討論会でも聞きましたけど、高市さん真っ先に「決着ついた」に手をあげていましたしね。
そして、麻生さんと国民・榛葉幹事長が6日に会談、この両者の連携については?
星浩さん:
今、どこの党とどこの党が組むとか、組まないとか言われていますけど、やっぱりそもそも論を考えていただきたいんですね。
衆議院と参議院の選挙で国民の民意っていうのは、「与党を少数」にして「野党を多数」にしたんですよね。連立を組み替えるということは、その民意に反することをやるわけですから、慎重にきちんと説明がつくことをやらなくちゃいけません。
おそらく選挙事情もそれぞれありますので、そう簡単じゃありませんし、何といっても民意に反することなんだということを、ちゃんと肝に銘じてもらいたいと思いますね。
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<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年