瀬戸内市にある国のハンセン病療養所長島愛生園で、現在は埋め立てられている懲罰施設「監房」の一部の掘り起こしに向けた工事が始まりました。

補修とともに、差別と人権侵害の歴史が後世に伝えられればと園の入所者は話します。掘り起こしに向けて、「監房」の周辺に仮囲いを作る作業がけさ(6日)、始まりました。長島愛生園の監房は、1930年の開園と同時につくられ、逃走しようとした人などが、当時の園長の権限で収監されました。1953年に廃止となり、埋め立てられた今では西側の外壁しか見ることができません。

工事は、埋め立てられた監房の上を通る道路とのり面の補修が目的ですが、見学者用の通路も整備される予定で、人権侵害の歴史などについて知ってもらうきっかけになればと入所者は話します。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「(工事が)上手いこといってほしいなということ。療養所のなかに、こういう監獄のような部屋があったということ、なぜそれが必要だったのか、そのことをやっぱり知ってほしいし、見てほしい」

工事は来年中に完了の予定で、8つあった独房のうち1つがあらわになるということです。