そして岩本准教授は、銅鏡百枚の真実にも迫ります。

島根大学・岩本崇准教授
「三角縁神獣鏡の製作期間っていうのが少なく見積もっても、短く見積もっても70年っていう風に今の研究では分かって来てますので、全てが(卑弥呼の)銅鏡百枚に当たるわけではなくって。銅鏡百枚には三角縁神獣鏡含めた直径の大きな鏡っていうのが選ばれていたんだろうという風に思います。」

三角縁神獣鏡をはじめとした銅鏡は山陰各地の古墳で見付かっています。
編年の研究で三角縁神獣鏡の模様が
中国の鏡とパラレルに変化していることが分かり、岩本准教授は、三角縁神獣鏡は倭王権が中国で作らせ独占的に輸入。
各地の有力者にその地位を承認する希少な宝物として与えることによって勢力を広げたと考えています。

中国や朝鮮半島の出土例と比べても古代日本人の鏡好きは際立っているそうで、岩本准教授は、銅鏡の形に加え、今後は金属の成分分析から古代日本の謎を解き明かそうと考えています。

島根大学・岩本崇准教授
「青銅器のサプライチェ―ンって呼んでるんですけども。これまで組み上げて来た編年を元に材料がどう変わっていったのか、それによって青銅器に関わる資源利用というのがどのように行われていたのかっていうことを明らかに出来るのではないかなと。」

銅鏡に穿たれた窪みは、分析サンプルを取った跡です。
銅やスズの比率、産地などの情報が加わると三角縁神獣鏡の新たな真実が
また判明するかも知れません。