11月は「児童虐待防止推進月間」です。
身体的・心理的、そして性的虐待やネグレクトなど児童への虐待は全国で増加傾向にあります。もし、虐待を受けている子どもがいたら。
児童相談所と警察が合同で行った緊迫の訓練を取材しました。
児童相談所職員
「お子さんの様子を見させていただくことが必要なんですよ」
父親役(警察官)
「こんな大勢で押しかけてきてお前、近所迷惑だろうが」
児童相談所職員
「ごめんなさいね」
「ちゃんとお話聞かせていただいたり、お子さんの様子を見させていただいたりしなきゃいけないもんですから」
児童相談所の職員と父親役との間で交わされる緊迫のやりとり。
これは、児童への虐待が疑われる家庭への「立入調査」を想定した訓練です。
児童相談所職員
「泣き声について事情を事情をうかがいたいんです。是非、玄関を開けていただけませんでしょうか」
父親役(警察官)
「虐待なんかしてないって言っとるだろうが」
児童相談所職員
「じゃあどうして、お父さんの大きな声が聞こえたんでしょうかね?」
父親役(警察官)
「地声だわや、失礼だろ、お前」
島根県健康福祉部青少年家庭科 福井久雄 調整監
「実際の模擬訓練を通じて、困難なケースにおいても、慌てずにきちんとお子さんの安全を確認、あるいは、状況によっては、安全を確保するために一時保護をする、そういった訓練をする必要がある」
島根県では、今回、訓練を行った立入調査に至った事案は2018年に1件あった以降、発生していませんが、一方で、児童虐待と認定された相談件数は2018年に400件を超え、以降、高い水準で推移しています。
島根県健康福祉部青少年家庭科 福井久雄 調整監
「最近では虐待に係る相談が多くなってきているが、いろいろな相談を受けて、お子さんとご家庭の支援をしているというのが、児童相談所の役割」
そして、県内の児童相談所への相談ルートを見ると、最も多いのは「警察」となっていて、全体の4割を超えます。
そうしたことから、虐待の早期発見、児童の安全確保のためには、警察との連携強化が重要であることから2年に1度、合同で実地訓練を行っています。
児童相談所職員
「中に入って、よしこさん(児童)を探させてください。その許可が裁判所から出ています」
こちらは、「立入調査」を拒否した場合に行われる「臨検・捜索」の訓練。
警察と協力の上、児童相談所職員が強制的に住居の中に入り、虐待が疑われる児童を捜し出します。
島根県健康福祉部青少年家庭科 福井久雄 調整監
「保護者が暴力に訴えるとか、いわゆる刑法に抵触するような行動をした場合には、警察官が法律に基づいて対応をするということも含めて訓練をしている」
児童虐待が疑われる連絡(通告)が入った場合には、児童相談所や関係機関は、家庭訪問など児童の安全確認を48時間以内に実施することになっています。
島根県健康福祉部青少年家庭科 福井久雄 調整監
「早めに虐待の疑いを発見して、早めに対応することが、お子さんを助ける支援することにつながっていく。気になることがあったら、児童相談所の虐待対応ダイヤル189(いちはやく)への連絡をお願いしたい」














