人脈作りの主導権を握る「会」の主催

野村:やはり、そもそも古河さんのように、自分で会合を開くということが大事なのでしょうか。

古河:それが本当に大事だと思います。一つは、参加者に機会を作ってくれたことに対して非常に感謝されること。また、自分が心地よい場所で開催できるので、心理的な安定性を確保した上で臨めるのも大きな違いです。

野村:呼ばれて行った場でなかなか価値を出せないと感じる人は、自分で汗をかいて場をセッティングした方が良いということですね。

古河:そうです。それに、「ご飯を食べましょう」と1対1で誘うのは難しくても、「こんな会をやっていて、この季節のものを食べるのですが、ご興味があればいらっしゃいませんか」という形だと、とても誘いやすいですよね。

野村:確かに。古河さんは、ご自身がセッティングされる会を何種類くらいお持ちなのですか。

古河:大まかには8つぐらいありますね。音楽を取り入れた会や、ワイン、日本酒の会。最近皆さんが関心を持っている環境問題の専門家を呼ぶ会もありますし、広報に携わる人のための会といった職種軸の会もあります。

頻度は半年に1回などと決めていて、結果的に月に1回は何かを開催しているという感じです。関係性を維持するには、3~4か月に1回会うのが一番良い頻度ではないでしょうか。お互いに話すネタがちょうど溜まってくる頃合いなんです。

野村:これまで色々な方とお付き合いされてきたと思いますが、社会で活躍されている方の中にも、「この人は結構、内向的だな」と感じる方はいましたか。

古河:ものすごくいますね。親しくなるコツの一つに、自分のことを正直に話す「自己開示」がありますが、私はその中で「実は内向型なんです」と必ず言うようにしています。

すると、かなりの確率で「いや、僕もそうだよ」と返ってきます。意外な方がそうおっしゃるので驚きますね。「異業種交流会は絶対に行けないですよね」といった話をすると、「俺も若い頃はそうだったなあ」というような共感が生まれ、心の底で通じ合えるように感じることがあります。