「何を知っているか」よりも「誰を知っているか」
野村:改めて、ビジネスパーソンにとっての人脈の大切さについていかがでしょうか?
古河:私が今まで成し得てきたことは、すべて人のおかげだと思っています。今やっている仕事や社会貢献活動は、すべて知り合いから持ち込まれたものです。『「何を知っているか」も大事ですが、「誰を知っているか」の方がもっと大事だ』という格言があります。これがビジネスにおいて最も重要なことの一つです。
野村:まさに、古河さんのご経験そのものですね。
古河: 人脈は、その名の通り「人の脈」ですが、私にとっては空気のような存在ではないかと思います。脈や空気と同じで、普段はその存在を意識しませんが、なければ生きていけません。そして何より、心を許せる方と話している時にこそ、心の豊かさを感じます。私は50歳を過ぎてから本格的に人脈作りに取り組み始めたわけですから、誰しも、ちょっとした努力で作れるものです。意識して活動すれば、今以上に豊かな人生が送れると思っています。
<古河久人さんプロフィール>
1959年生まれ。広島県出身。東京大学経済学部卒業。1981年、住友生命保険相互会社に入社、主に管理部門に従事、執行役常務を経て2021年退社。40代から「人と人をつなぐこと」の楽しさを知り、人脈活動(人活)を開始。2021年に退社したのちも人脈活動でつながった人からのオファーで、50以上の団体・企業のアドバイザー、顧問、社外取締役、理事などを務める。一緒に食事をした人の数は25年間で累計2万人、年間800人と会食している。昨年11月、初の著書「『最高のビジネス人脈』が作れる食事の戦略」(東洋経済新報社)を出版。
<聞き手・野村高文>
Podcastプロデューサー・編集者。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、NewsPicksを経て独立し、現在はPodcast Studio Chronicle代表。毎週月曜日の朝6時に配信しているTBS Podcast「東京ビジネスハブ」のパーソナリティを務める。