豊中市は市が発注した随意契約で、「不適切な行為が複数あった」と認めました。

 (豊中市 榎本弘志総務部長)「分割して少額随意契約という手法を選択しており不適切であったと認識しています」

 豊中市によりますと、去年までの過去5年間で、一般競争入札で発注できた工事約130件を数百件に分割。工事費を少額に見せることで、複数の業者が競いあう「入札」ではなく任意で業者に発注できる随意契約を結んでいたということです。

 さらに別の問題も。豊中市では「随意契約」で工事を発注する際、国の法令にならい、費用を比較できるよう「なるべく2社以上の見積書を集める」ことを規則で定めています。しかし市は、本来自ら集めなければいけない複数の業者の見積書を、ひとつの業者に集めてもらうよう依頼していたケースが複数の部局で確認されたことも明かしました。

 9月30日の市議会では「費用が正しく比較されず、割高な契約になっていないか」などと厳しい追及が。

 (豊中市 市橋拓市議)「不適切と考えるのでしょうか、不正と考えるのでしょうか」

 (豊中市 榎本弘志総務部長)「特定の業者に見積書のとりまとめを依頼することは、契約の透明性・公平性・競争性に疑念をもたれる行為であり、不適切な行為であると認識しています」

 市は不適切な行為を認めたうえで「意図的に特定の業者に受注させようとしたり、金品などの授受が行われたりした事実はなく、不正とは考えていない」と釈明しました。

 市は、「来月上旬を目途に調査結果を取りまとめ、公正取引委員会にも報告する」としています。