致死率100%で、ネコの死因でも第3位となっているネココロナウイルスの治療に向けて、大分大学医学部発のベンチャー企業が設立され、世界同時承認を目指すことが発表されました。

(大分大学医学部臨床薬理学講座・松岡茂特任教授)「ネコ好きの研究者2名と犬好きの実業家1名の3名で設立することになりました」

大分大学医学部で新薬の研究を進めている松岡茂特任教授は北里大学獣医学部の教授らとベンチャー企業を立ち上げ、ネココロナウイルスの治療薬開発に取り組むと発表しました。

ネココロナウイルスは、飼い猫の4割、多頭飼いでは7割以上が感染しているとされる身近なウイルスです。しかし、変異によっておよそ5パーセントが致死率100%の感染性腹膜炎=「FIP」を発症し、ネコの死因の第3位となっています。

現状、ワクチンや治療薬はなく、ヒト用の薬がブラックマーケットで高額で取引されることも問題となっています。松岡教授らは大分大学で合成されたオリジナル化合物で、世界初となるネココロナウイルス専用の治療薬の開発を目指します。

(松岡茂特任教授)「我々から元からネコのために新薬を開発して正々堂々と動物薬としての承認を受けて適正な価格で販売できる製品を世に出してFIPの市場を健全化したいと考えている」

9月設立された大学発ベンチャー「ハッピーねこちゃんわんちゃん」では、2029年の世界同時承認を目指し、ネコでの有効性などを確認していく方針です。