■第73回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会(28日、山口・維新みらいふスタジアム)

女子200m決勝が行われ、東京2025世界陸上で準決勝に進出した井戸アビゲイル風果(24、東邦銀行)が、23秒19(-0.5)の大会新記録で初優勝。世界陸上の混合リレーに井戸とともに出場した松本奈菜子(28、東邦銀行)は23秒93で5着に入った。

好スタートを切った井戸は序盤でトップに立つと、そのまま加速して後続を突き放し1着でフィニッシュした。井戸は「後半のリズムを最後まで崩さない所をポイントにしていたんですけど、最後までできたのかなっていう所で、最後の試合でいいレースができて良かったです」とレースを振り返り、「世界陸上を応援して頂きありがとうございました。これからもいろんな試合に出ていくので、女子短距離含めて応援よろしくお願いします」とファンにメッセージを送った。

井戸は8月に22秒79の日本新記録をマークし、福島千里の記録を9年ぶりに更新。9月17日の世界陸上女子200m予選では、22秒98の組5着もタイムで拾われ予選突破を決めた。世界陸上、女子200mの準決勝進出は、2011年のテグ(韓国)大会の福島のみで、井戸が日本勢14年ぶり2人目の快挙を成し遂げた。

男子200m決勝は、東京2025世界陸上代表の佐藤風雅(29、ミズノ)が20秒68(-0.5)の1着でフィニッシュし、大会連覇を達成した。佐藤は「今回200mの実力者が、選手権でメダルも獲得している選手もいたので、レベルの高い試合になると思っていて、そこをしっかり勝ち切れたのは、うれしく思います」と喜んだ。