突然の「小児がん」告知…差別の記憶
がんの子どもを守る会 富山支部代表
氷見三佐子さん
「病気で髪の毛が抜けた子を特別な目で見るのではなく、うちの子も経験しましたが、そうではなく『治療で頑張っている子なんだね』と見てもらえるようになったらいいなと思います」

絵画展を企画した一人、がんの子どもを守る会富山支部代表の氷見三佐子さん。自身も14年前に長男の長慧さんを亡くしました。

小さい頃から元気いっぱい。足も速くやんちゃな子どもでした。
異変が起きたのは、小学4年生の時でした。突然、毎朝吐くようになったといいます。

がんの子どもを守る会 富山支部代表
氷見三佐子さん
「心配して小児科に行き、胃腸の検査もしましたが全然異常がないと言われて。4キロぐらいあっという間に痩せました。歩いてるときにふらついたり、字がもうめちゃくちゃな、すごい字になってしまって、これはもしかしたら頭の病気かもしれないということで…」

病院に行くと小児がんの一種「脳腫瘍」と診断されました。
小児がんは14歳以下に発症するさまざまながんの総称で、国内では毎年およそ2500人が診断されています。

医療の進歩で治癒率は上がりましたが、治療後も障害が残り、元の生活に戻るのは容易ではありません。これは長慧さんが小学4年生の時に描いた作品です。
思い通りに動かない手で頑張って描きました。


がんの子どもを守る会 富山支部代表
氷見三佐子さん
「まだこれを描いたころは病気が分からなくて、自律神経失調症と言われていて、この絵を描いたあと12月にわかりました」

小児がんを告知された2日後、緊急手術。手術は成功しましたが、その後すぐに抗がん剤と放射線治療が始まりました。
過酷な治療の影響で体は変わり、差別やいじめを受けることもありました。
