食材の有効活用で「牡蠣の和え玉」

和え玉を提供する店が続々と増えていると話すのは、これまで2万9800杯を食してきたラーメン評論家の大崎さんです。
ラーメン評論家・大崎裕史さん:
「首都圏だけでも200~300店はあるのではないか。1人当たりの客からの金額を増やすことができるのと、食べる側からしても味を変えることができるので、和え玉は店にも客にも相当メリットがある」
女性ファンも多い人気店『shizuku』(東京・西早稲田)でも、店主の“ある想い”がこもった和え玉を提供しています。

看板メニューは、国産の鶏ガラ・豚の動物系スープに4種の塩をブレンドしたタレを合わせた「3種のチャーシューと味玉の塩らーめん」(1300円)。
同時に人気なのが、旨みを凝縮した牡蠣のアヒージョがトッピングされ、味変用のハーブバターも付いた「牡蠣和え玉」(400円)です。

「おいしかった。替え玉より和え玉のほうが味が変わる。ラーメン一杯1000円ぐらいだけど、半額くらいで頼めるのが結構良い」(40代男性)
「普通の麺よりも甘くて、スパゲッティみたいでおいしかった」(小学生男子)
実はこの和え玉、人気メニュー「牡蠣塩ラーメン」(1400円)を有効活用しているとのこと。

店主・木戸綾乃さん:
「スープを作る時に出る牡蠣の身をアヒージョにしてラーメンのトッピングとして提供しているけれど、どうしても余ってしまう」
“食材を無駄にしたくない”という想いから生まれた和え玉なのでした。
フレンチ×サーモン「まるでパスタ」
さらに、一風変わった和え玉を提供するお店も。
7月にオープンしたばかりの『サーモンnoodle 三軒茶屋』(東京・世田谷区)の謳い文句は<フレンチ気分でラーメンを>。

看板メニューの「白サーモン」(980円)は、サーモン一匹を丸ごとスープにして、フレンチの技法「エスプーマ」で泡仕立てに。
サーモンの切り身やキャビアなどがトッピングされ、フランス料理の一皿のようなラーメンです。
山根部員:
「サーモンの旨味とクリーミーなスープ、これは新しすぎる。おいしい」

そして和え玉はというと、明太子ソースで和えた太麺に、炙ったチャーシューをトッピングした「フレンチ和え玉」(400円)。もちろんスープとも相性抜群です。

山根部員:
「もう完全にパスタのよう。さっきのラーメンとはまったく違う。明太子がピリっとしていてものすごく濃厚でおいしい。フレンチのフルコースを食べている感覚」
味は他にも、「バジルチーズ」や「月見うに」など定期的に変更しているので、リピーターにも嬉しいメニュー。来店客の約半数が注文するといいます。

ラーメンと共に2度も3度も楽しめる「和え玉」が、新たな味を生んでいます。
(THE TIME,2025年9月25日放送より)