青森県八戸市の「みちのく記念病院」で起きた殺人事件を隠ぺいしようとした罪に問われた、当時の院長の初公判が25日に開かれます。遺族が受け取った虚偽の死亡診断書が、どのように作成されたかなどが焦点となります。

起訴状などによりますと、みちのく記念病院の元院長・石山隆 被告(62)と弟で医師の石山哲 被告(60)は、2023年3月、入院中の男が入院患者の男性を殺害した事件で、死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を作成し、事件を隠そうとした犯人隠避の罪に問われています。

25日に青森地裁では、元院長の石山隆 被告の初公判が開かれます。

病院や捜査関係者によりますと、遺族に渡された死亡診断書には認知症の疑いがあった80代の男性医師の名前が記載され、死因は「肺炎」と記されていました。

また、この男性医師の名義で字の特徴が異なる診断書が複数あったということです。

25日以降の裁判では、虚偽の死亡診断書は誰がどのように指示して作成されたのか、また、なぜ事件を隠すことになったのかなどが焦点となります。

この、みちのく記念病院の運営体制について、県は「第三者の視点」を入れて体制の改善を指導する考えをあらためて示しました。

県議会一般質問初日の24日は、みちのく記念病院を運営する「医療法人杏林会」に対する改善措置命令について、県側の対応が質されました。

県健康医療福祉部 守川義信 部長
「県としても今後、みちのく記念病院における医師の勤務状況等の指導・監督を行ううえで、第三者による視点も必要と考えています」

これまでに病院は、医師の正確な勤務時間を把握していなかったうえ、勤務時間などについて事実とは異なる報告をしていたことがわかっています。

これを受けて、病院には第三者の組織として、医療の勤務環境改善支援センターを利用するよう指導しています。

県は、病院に対して2026年2月末までに再発防止策を講じるよう命じていて、必要な措置を講じない時は、病院の業務の停止を命ずる場合があるとしています。