
2019年、野村ホールディングスとアメリカの投資ファンド・カーライルグループに買収されたオリオンビール。戦後復興の象徴ともいえる県内企業の買収に、衝撃が走りました。期待と同時に不安の声も聞かれる中、村野社長は会社が掲げるミッションにある言葉を加えました。
▼オリオンビール 村野一社長
「『沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に』と変えてもらった。印刷物の変更とか面倒くさいですよ。でも、この言葉は外せないと思ったんです。沖縄とともに成長する。これまでもそうしてきた会社からずれると、この会社の将来はないと思いました」
1957年、沖縄がまだアメリカ統治下にあった時代に誕生したオリオンビール。それ以来「オリオン」のブランドは県民にとって欠かせない存在となっていました。
「沖縄とともに歩み、成長していく」その原点を見つめ直し、上場に向けて着々と準備を進めてきた村野社長。近年は本業のビール製造をはじめとする酒類事業に加えて観光やホテル事業にも力を入れ、コロナ禍からのV字回復を遂げ、昨年度のグループ全体の売上高は、前の年度から28億円増え288億円と好調を維持しています。
▼オリオンビール海外事業部 Mandy Huさん
「これを変える必要があるので…」
ー何ケースに?
「1400ケース」
海外販路の拡大も強化し、今年2月からはイギリスでのライセンス生産も開始しています。
▼オリオンビール海外事業部 Mandy Huさん
「多くの競合がいて選択肢もたくさんある中、オリオンビールを選んで、飲んで満足しているのをみると私たちも嬉しいです」
▼オリオンビール 村野一社長
「沖縄から遠く離れた地域での勝ち筋が1つわかる。(ビールを)造ってもらうパートナーを探せばいい。その人たちに売ってもらえばいいわけです。この方法で、すでに他の地域での候補がどんどん出てきています」