戦後80年プロジェクト「つなぐ、つながる」です。80年前の夏、児童ら127人が犠牲になった大分県の保戸島空襲。このふるさとの悲劇を伝えていこうと地元の子どもたちが舞台に臨みました。

大分市で8月、戦時中に起きた悲劇をもとにした舞台が上演されました。出演したのは大分県津久見市の樫の実少年少女合唱団。作品のテーマは、地元で80年前に起きた保戸島空襲です。

かつて遠洋マグロ漁の島として栄えた津久見市保戸島。1945年7月25日、海軍の施設が近くにあった国民学校がアメリカ軍の空襲を受け、授業中の児童ら127人が犠牲となりました。

舞台に立つのは、地元で40年以上活動する合唱団の小学生から高校生までの38人。自分たちの身近な島で起きた悲劇を、歌と演技で届けようと練習を重ねてきました。

生徒
「表情のメリハリを付けるのを頑張りたい」
「亡くなった127人の魂になって表現していきたい」

物語は保戸島出身の男性が戦時中にタイムスリップ。妹や同級生との穏やかなひと時が空襲によって引き裂かれてしまいます。戦争によって突然、命を奪われた同世代の子どもたちに思いを馳せながらステージで表現します。

劇中では小学校の卒業生が作詞した追悼の歌も披露し、平和の尊さを訴えかけます。

観客
「そういうことがあったことを初めて知りました」
「保戸島出身なので感慨深いステージでした」

生徒
「全力でお客さんに伝えることができた、いい舞台だったと思います」
「平和の重さを改めて考え直すことができたし、いろいろな人に伝えていきたい」

あの夏から80年。空襲の体験者が少なくなる中、子どもたちが新たな語り部となり、平和への願いをつないでいきます。