中野市で2023年、4人が殺害された立てこもり事件の裁判員裁判。検察側の証人の医師は、被告の妄想症が住民を殺害した動機に関わったとした一方、警察官への犯行には関係なかったと説明しました。
中野市の青木政憲被告は、2023年5月、住民と警察官あわせて4人を殺害した罪に問われています。

17日は、検察側の証人として、被告と面談をした精神科医への尋問が行われました。

医師はおよそ30時間、9回面談していて、「青木被告は犯行当時、妄想症などを患っていた」と話しました。
その上で、その影響は住民2人を殺害した動機に認められるが、犯行への判断には関係なかったとしました。
一方で、警察官2人への犯行には妄想症の直接的な影響はなかったと説明しました。

17日はこのほか弁護側の請求で、心理に関する専門の国家資格を持つ公認心理師が出廷しました。
公認心理師は、青木被告に2日間で4時間半の面談をしていて、「状況によっては、行動を抑制できる」とした上で、犯行時のような困難な状況では話し合いなどで解決は難しかったと説明しました。

また「適切な治療を受けていれば、ほかの人を傷つける行動の抑制につながった可能性が高かった」としました。
次回の公判は19日で、17日に出廷した検察側の証人の精神鑑定医が再び証言する予定です。