きょう、土地取引の目安となる全国の基準地価が公表されました。実に34年ぶりの伸び率を記録し、東京ではインバウンド需要が地価を押し上げています。

さきほど発表された基準地価は、住宅地・商業地ともにバブル崩壊後の1991年以来の伸び率を記録しました。

「住宅地」の上昇率で1位から4位を占めたのが北海道。▼富良野市は富裕層向けの高級リゾートの需要から上昇、▼千歳市は、次世代半導体の国産化を目指す「ラピダス」の工場建設に伴って住人の増加が見込まれることから地価が上がっています。

住宅地も上位は北海道が独占しましたが、関東からは茨城県つくば市が5位にランクインしました。

6年前からつくば市在住(28)
「県外から移住する人が増えてきている。子育て世代が多い印象を受けます」

16年前つくば市に移住
「タブレットや電子機器を授業で積極的に取り扱っている学校が多くて、教育の部分でも進んでいると感じる」

最先端の教育が受けられる環境が整っていることで、子育て世代を中心に移住者が増加。人口は年々増え続け、増加率は全国1位です。

一方、「商業地」で目立ったのは…。

記者
「東京では今、繁華街を中心に地価が大きく上昇しています。その地価を押し上げているのはインバウンドです」

観光地として人気の浅草は、去年より27.4%上昇しました。

「僕の兄弟が世界陸上に出ていて、それを見に来たんだ。良い時間を過ごして、今は浅草を散策しているよ」

ただ、地価が上がる一方で…。

生花店の店主
「土日は自転車で配達に行こうものなら、自転車が邪魔になってしまう。仲見世なんか横切れない」

観光客の集中で、浅草ではオーバーツーリズムが問題に。ごみの増加や交通渋滞などが地域住民の生活に影を落とし、今後、課題も多く浮かび上がってきそうです。