シャインマスカット 品種登録までに18年

出水キャスター:
ぶどうは100種類以上もの品種があり、その数は毎年増えているそうです。
ただ品種改良はとても大変な作業で、それは“まるで子育て”だということです。
シャインマスカットの場合は品種登録までに18年かかりました。
シャインマスカットは1988年から開発がスタート。「安芸津21号」と「白南」という2種類のぶどうをかけ合わせ、約10年くらいかけて115の個体を作り出し、その中の一つ、「安芸津23号」を選抜しました。
その後、1999年から全国で栽培特性試験を実施。様々な方に栽培してもらい、費用がどのくらいかかるか、他の品種と差別化できているか、安定的に作れるかなどの実証実験を行い、2006年にようやく種苗法に基づき「シャインマスカット」として正式に品種登録されたのです。
生産者の方々に新しい品種を作る大変さを聞きました。

カンティーナヒロ 広瀬武彦代表取締役
「サンシャインレッドは色づき始めたら透明な袋に付け替えたり、色づき管理が大変」
志村葡萄研究所 志村晃生社長
「農家目線の作りやすさ、消費者目線の食べやすさ・美味しさが必要」
井上キャスター:
気が遠くなるような研究や開発、細かい作業が続くのですね。日本は高温多湿なので病気についても考慮しないといけないし、最近はさらに気温が上がっているので、また(栽培方法などを)変えなければいけない、その繰り返しなんですね。
出水キャスター:
ほかにも害獣や、虫の被害といったものも考えていかなければなりませんからね。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
思うようにいかないことも多いということで、まさに子育てと一緒ですね。
希少品種栽培「シャインマスカット一本では価格競争に陥る」

出水キャスター:
ほかにも希少価値の高いぶどうがあります。
【5種類の希少品種を栽培している長野県「牧農園」】
<ぶどうグランプリ2025に出品>
・真沙果(3000~4000円)
「まさかこんなぶどうが」という驚きから命名
・クイーンルージュ(2500~4000円)
甘くて皮が薄い。パリッと食感
・姫果(3000~4000円)
世界で3人しか栽培していない。
甘味が強く、サクサク食感。芳醇な香り
牧農園の牧 壮一さんは「シャインマスカット一本ではどんどん価格競争に陥る。ちょっと違う路線で利益をとっていきたい」といいます。
==========
〈プロフィール〉
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶応義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMia(イミア)」主宰