遅れて登校は気まずい…クラス仲間の理解も

不登校の原因のひとつにもなる起立性調節障害。遅れて学校に行く子どもも多いため、学校側はもちろん、クラスメイトの理解も重要です。

真生会富山病院小児科 吉崎達郎医師
「クラスメイトに『きょうは学校来られているのに、なんで普段来られないの』と言われてしまうと、どうしても気持ちが落ち込んだり、『そんなこと言われるところには行きたくない』となってもおかしくない」

Aさんも、はじめのうちは遅れて登校するのが気まずいと感じていました。

起立性調節障害に悩むAさん(中学3年生)
「教室に入った時にグループがあって朝から話していたりするから、輪に入れなかったりすることが1番つらかった」

現在はクラスメイトに理解してもらうことができ、学校に行きやすくなりました。

Aさんの夢は警察官。行きたい高校もあるため、病気で授業に出られなかった科目は塾で学んだり、友達から教えてもらったりして受験に備えているといいます。

起立性調節障害に悩むAさん(中学3年生)
「今は、病気になる前みたいに、ちゃんと朝起きて朝から学校へ行くことが目標。絶対に11時に寝るようにして、朝起きて薬を飲んで、ゆっくりでも準備し始めて生活習慣を崩さないようにしています」

症状の改善に必要な期間は、数か月から数年と人によってさまざまで、特効薬は今のところありません。

教育現場では徐々に病気の存在が認知されてきていますが、学校に行けない児童生徒への十分なサポートがされていないケースも多いのが現状です。