東京・新橋のガールズバーで従業員の女性を殺害した罪などに問われている男に対し、検察側は懲役20年を求刑しました。

無職の千明博行被告(50)は去年10月、東京・新橋のガールズバーで、従業員の女性(当時18)の首などをナイフで切り付けて殺害した罪などに問われています。

検察側はきょうの裁判で、被害者の刺し傷や切り傷が36か所に上ったことに触れ、「危険かつ執拗、極めて残酷かつ悪質な犯行」と指摘。「被害者に大金を使ったのに連絡がとれないので殺害するという発想は、身勝手極まりない」として、千明被告に対し、懲役20年を求刑しました。

一方の弁護側は、「被害者は犯行当時、被害者への好意を裏切られたという強い感情に支配されていた」「ナイフを出すとしても、けがをさせる程度のつもりで、計画性のない衝動的な犯行だった」として、懲役10年が相当と主張しました。

求刑に先立ち、証言台に立った被害者の父親は「娘を失ってから生きる気力がない」と声を詰まらせ、「少しでも娘に良い報告が出来るよう、身勝手な理由で娘を殺したこの男に、今ある最高の刑罰が下されることを願います」と訴えました。

裁判の最後、千明被告は背中を丸めながら「申し訳ありません」と小さな声で述べ、頭を下げました。

判決は今月17日に言い渡される予定です。