昨日9日、RKKのスクープ投稿に届いた映像です。

夜明け前の空に、煙とともに光を放つ物体が映っています。この正体は何なのか、目撃者と専門家を取材しました。

この様子を撮影したのは、熊本市中央区に住む猪口哲朗さん(62)です。

猪口さんは昨日の朝早く、西区島崎で日課のランニング中、南東方向の空でその物体を目にしました。

猪口哲朗さん「生まれて初めて見るような光景だった。真っ暗い夜空に、光と煙がずっと見えていたので、驚いた」

ランニングを中断し、急いでカメラに収めました。

猪口さん「鹿児島の種子島ですかね、ロケットを発射する発射センターから何か打ちあがったのが見られたのかなとも思った」

しかし鹿児島県の種子島宇宙センターでは発射の予定はなく、疑問はさらに深まりました。

猪口さん「音は全然なかったです。煙が出ているようにも見えたので、何かが墜落しているのではないかとかそういう不安もあった」

この正体は何なのか。神奈川県にある平塚市博物館で天文を担当する学芸員の藤井大地さんにズバリ聞きました。

平塚市博物館 学芸員 藤井大地さん「中国のロケットの噴煙が太陽に照らされて明るく輝いて見えた」

藤井さんによると、日本時間の午前4時48分に中国の海上から人工衛星を載せたロケットが発射されていて、九州の南の上空を通過していたというのです。

藤井さん「地上が夜、宇宙が昼の条件であれば、宇宙にある人工衛星や飛行中のロケットが明るく見えることがよくある」

地上が夜、宇宙が昼というのは時間帯としては夕方か明け方だそう。さらに地上から見える位置にロケットの軌道があったことから、今回光が見えたのだといいます。

藤井さん「特に熊本は種子島とか内之浦からのロケットの打ち上げは観察しやすいと思うので、明け方や夕方の打ち上げ条件のときに発射場の方を注目すると噴煙が見られるときがあるかもしれません」