がれきを巻き上げながら、住宅を横切る竜巻…。静岡県の広い範囲に被害をもたらした竜巻。推定される風の強さが、国内の統計史上最大級だったことが分かりました。

“国内最大級”の竜巻だった 気象庁

竜巻の発生から3日。8日夜も住宅街は真っ暗のまま。男性は非常用のランタンの明かりを頼りに、この夜を乗り切ります。

「(Q.水分補給はこまめに?)そうですね、こまめにしてます」

そう話す男性の首元は汗でびっしょり。一緒に暮らす母親は自宅の中で突風に飛ばされ、体の一部を打撲しました。

「猫と一緒に来たらバーンって飛ばされて、あれ(ドア)がポンってなって、壁にぶつかって」

中部電力によれば、停電の復旧作業は完了したということですが、男性の自宅は屋根の配線を直す必要があるため、家に電気が通る見通しは立っていません。また、家にはヤムちゃんのほか、2匹の猫がいるため、避難所には行けないと話します。

「屋根がない方もかなり多い。皆さんから声かけあって『頑張ろうね』みたいな感じでやってる」

静岡県牧之原市などで確認された竜巻について、気象庁は8日、突風の強さは推定で風速およそ75メートルだったと発表しました。これは「国内の統計史上最大級」の強さです。

撮影した中村桐龍さん(18)
「木みたいなのも舞ってたし、周りの家も瓦とか無くなったりしていた。エグかったです」

映像を撮影した中村さんが住む家は屋根の一部が剥がれるなどの被害を受けました。このあとアパートは取り壊される予定だそうです。

中村桐龍さん(18)
「今まで自分が住んでた家がなくなってしまい、厳しいです」

記者
「竜巻の発生から3日が経ちましたが、道端には折れた電柱や木の板が積まれています」

最高気温33.8℃。住民たちの片付け作業は続きます。

「(暑さが)こたえます、本当に」