高岡市の出町市長は、3日の市議会定例会で、新庁舎整備のロードマップを白紙撤回する考えを示しました。理由については「現庁舎から出ていくことを前提としたもので、違和感を覚える」としています。

出町高岡市長
「ことし2月に公表した、新庁舎整備ロードマップについては、白紙撤回します」

3日開かれた、高岡市議会9月定例会の本会議。最大会派・同志会からの代表質問で、新庁舎整備の考え方を問われた出町市長は、2034年度の竣工を目指して検討が進んでいた「新庁舎整備ロードマップ」について、白紙撤回すると答えました。

出町高岡市長
「庁舎のあり方については、本市や本市で暮らす市民にとって、『百年の計』ともいうべき重大な事案であります。市民の皆さんを巻き込んだ議論が不可欠です。ここで一旦立ち止まり熟考したいと思います」

現在の市庁舎は、1980年の完成から45年が経過し、建物の一部が現行の耐震基準を満たしていません。

去年の能登半島地震では、8階の会議室で天井の一部が落下。現在も、ダクトがむき出しのままの状態で使用されています。

こうした老朽化や耐震性不足をうけて、角田前市長はことし2月、2034年度内の完成を目指す「新庁舎整備ロードマップ」を発表。

新築や既存施設への移転、現庁舎の耐震化を含め、整備の方法や場所を決めるとして、5月にはすべての職員を対象に、現庁舎の課題を洗い出すためのアンケートを実施するなど、検討が進んでいました。