消費期限の偽装はなぜ行われた?

井上キャスター:
なぜ偽装が行われたのでしょうか。

▼廃棄ロスを減らし、経費を削減するため。そして、▼夜中など従業員の手が空いた時間に製造し、“作り置き”が常態化していた可能性があるということです。

不正を行っていた25店舗は全てフランチャイズ店で、本部からの偽装指示は今のところ確認されていないそうです。

今回不正をした兵庫・川西市の店舗オーナーは取材に対し、「もったいないのでやってしまった」と話していました。オーナー自らラベルを貼り、消費期限を3~4時間偽装していたということです。

タレント・子育てインフルエンサー 木下ゆーきさん:
これだけ多くの店舗で起きているので、「もったいない」というオーナー1人の気持ちだけが本当に原因なのかなと思いました。

「本部から指示はなかった」とはなっていますが、本部との取り決めの中で、このような事象が起きてしまった、という流れはないのか少し疑問に感じてしまいます。

消費経済アナリスト 渡辺広明さん:
本部からの指示というのは、多分ほぼないかなと思います。

フランチャイズ店での廃棄コストは基本的にはオーナーが持つことになっています。なので、廃棄というのはオーナーの利益を削ります。

ただし、ミニストップの場合は他のコンビニチェーンと違い、本部とオーナーが廃棄の負担を応分します。なので、すごく優しい契約になっています。

また、「スーパーバイザー」という店舗巡回員がいるので、そのあたりをコントロールして指導する必要が本来あります。しかし、今回は残念ながらされていなかった可能性があると思います。

出水麻衣キャスター:
「夜中など手が空いた時間に製造していた」とありますが、オペレーションをマニュアル化して、従業員が無理のないように作るということはできなかったのでしょうか?

消費経済アナリスト 渡辺広明さん:
コンビニというのは、ご存知の通り2人くらいしか働いていません。3~4人働いていればできますが、そこは非常に難しいところがあります。

「手作りする」ということは、作業も増え、人件費もかかるので、オーナーが利益を得づらくなります。そうすると、廃棄というところでこのような不正が起こってしまう可能性があるのかもしれません。

井上キャスター:
コンビニ業界で「商品棚にある程度、あふれるほど商品を載せておかないと良くない」とよく言われます。だからこそ、「廃棄をやめよう」ということよりも、「廃棄しても仕方ないから、とにかく商品を置いておく」。そういった業界の慣例に元凶はないのでしょうか。

消費経済アナリスト 渡辺広明さん:
4~5年前まではその考え方がありました。しかし、食品ロスの問題や食料自給率が低い問題などを含めて、そういう形はだいぶなくなってきています。