国内で初めて岩国基地(山口県岩国市)で行われるアメリカ陸軍の最新ミサイルシステム「タイフォン」の展開訓練に反対するよう、2日、市民団体が岩国市に申し入れをしました。

「タイフォン」の展開訓練は、今月11日に始まるアメリカ海兵隊と陸上自衛隊の訓練「レゾリュート・ドラゴン25」の一環として岩国基地で行われます。

「タイフォン」はアメリカ陸軍の最新ミサイルシステムです。

防衛省は展開は一時的で終了後は撤収すると説明し、岩国市の福田良彦市長は日本を取り巻く厳しい安全保障環境を考えると「やむをえない」との見解を示しました。

住民投票を力にする会は「今回の訓練は市民の生命財産を危険にさらす」として、訓練中止を日米両政府に強く求めるよう要請しました。

住民投票を力にする会 松田一志 代表
「岩国基地が攻撃を前提とした訓練の場所に使われる。ここに市民の大きな不安があると思ってます」

瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワークは、「恒常的な展開や有事のときに岩国基地で運用されることが容易に想像され、明らかに基地機能の強化に当たる」と指摘しました。「攻撃基地となれば相手国からの攻撃目標になる」として福田市長に反対の立場を表明するよう求めました。

瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク 久米慶典 共同代表
「岩国で展開することで非常に東アジアの緊張が高まっていること、私たち岩国市民が軍拡競争のまっただ中に入ってしまうこと、それはやっぱりすごく私たちに負担が大きいことです」

市側は「中止を求める考えはない」としました。