8月、知床半島にある羅臼岳の登山道で、26歳の男性がヒグマに襲われ死亡した事故について、公益財団法人 知床財団は、1日、新たな調査結果を公表しました。

その中で「事故前の7月29日、岩尾別地区で、捕獲されたヒグマとの関係性はわからないものの、ヒグマへの餌付けが疑われる事案が発生していたこと」、「男性が、事故当日、いわゆる『トレイルランニング』と呼ばれるスタイルで登山していたという情報はないこと」、「遭遇地点から谷側に下った林の中で、被害男性のスマートフォンなどの遺留品やヒグマの体毛を新たに発見したこと」などを明らかにしました。

ヒグマによる人身事故では、8月14日、羅臼岳の登山道で、東京都在住の26歳の男性が襲われ死亡しました。

■捕獲されたヒグマは、知床の“有名なヒグマ“

男性が襲われた現場に通じる登山口(8月14日 北海道・羅臼岳)

 知床財団によりますと、今回捕獲されたヒグマは、2014年から 知床国立公園内で毎年のように目撃されていたクマで、岩尾別地区を中心に活動していました。

地元の人たちの間では、“有名なクマ“でした。

今年に入ってからは子グマ2頭も確認され、公園内の道路沿線など人目につく場所で繰り返し目撃されていて、この親子グマとみられるヒグマの目撃情報は、30件以上寄せられていました。

「人を避けない。人に出会ってもすぐに逃走しない」行動がたびたび確認されていたため、こうした行動を予期するための追い払い対応を繰り返し行ってきた経緯もあるということです。

岩尾別の登山道(資料)

 一方で、知床財団は、岩尾別地区で、7月29日、ヒグマへの餌付けが疑われる事案があったことを新たに明らかしました。

捕獲されたヒグマとの関係性は分かっていません。