JP日本郵政グループの新たな戦い方

高橋監督は廣中には1区の可能性も、3区の可能性も、そして5区の可能性もあるという。

廣中が1区なら最初から大きくリードしたい布陣で、他に1区を任せられる選手が出てこなかったことになる。その場合は鈴木が3区で、鈴木と共に来年秋のMGC出場資格を持つ太田琴菜(27)と大西ひかり(22)が5区候補だろう。

高橋監督が「今年は2区、4区じゃない」という小坂井が、3区を任せられるほど成長していれば、資生堂や積水化学に良い勝負を挑める。

廣中が5区なら1、3区を任せられる選手が現れたことを意味するが、多少、一か八か的な要素も含まれる。その場合も、鈴木の復調と小坂井の成長が著しければ、前半を好位置に付けて5区でかなりの追い上げが期待できる。

そして廣中3区ならオーソドックスな布陣で、1区が小坂井、5区が鈴木だろう。

3回クイーンズ駅伝に優勝したJP日本郵政グループは、エース級の選手の力が大きかった。16年大会が鈴木、関根花観、鍋島莉奈(28・現積水化学)と、五輪と世界陸上代表が3人いた(鍋島は駅伝優勝後に代表入り)。19年大会は1区の廣中が大きくリードし、3区の鈴木が差を広げた。20年大会は1区の廣中でリードし、3区の鍋島が新谷に逆転されたが、5区の鈴木で再逆転した。

だが今年、日本郵政が勝つとしたら別パターンになる可能性がある。

「(創部後)9年間の合宿で一番面白い合宿になっています」と高橋監督。「今までは6人目の選手の力が落ちて、あと1人足りないんだけど、という状況で戦ってきました。今年はそれがないんです。新しい力が出てきていて、メンバー争いも混戦です。少し厳しいと思っていた選手が、ガラッと変わってきました」

代表経験選手2人以外が活躍し、その結果として廣中の走りが生きる。あるいは代表経験のある2人以外に、主要区間の区間賞選手が現れる。JP日本郵政グループが新しい戦い方ができたとき、優勝争いに加わることができる。