しなの鉄道は、いわゆる撮り鉄と呼ばれる鉄道ファンに、重大なマナー違反があったとして、10年以上にわたって毎月行ってきた、115系車両の運行情報の公表を9月分から取りやめると発表しました。
しなの鉄道によりますと、公表取り止めのきっかけとなった、重大なマナー違反が起きたのは8月上旬で、信濃町の沿線の民家の敷地に、撮影者が無断で入り込んだ上に、庭木を切ったということです。
115系車両は、旧国鉄時代に生まれた電車で、しなの鉄道では、JR東日本から譲り受けて、1997年の開業当初から運用していました。

開業20周年に合わせて2017年から、緑の車体にオレンジ色が鮮やかな「湘南色」や、クリーム色と青色を配した「横須賀色」、アイボリーホワイトに緑と赤のラインが入った「初代長野色」などに塗り替えて運行していて、鉄道ファンに向けて、それぞれの色ごとに、運行日や運行経路、時間などを示した行路表を、ホームページで毎月公表してきました。
しなの鉄道では、行路表の公表に合わせて毎回、撮影する際の注意事項や禁止事項などを呼びかけて来ましたが、沿線の住民などから、撮影に訪れる鉄道ファンに対する苦情が相次いでいて、改善が進まない状況が続いていたということです。
行路表を公表する際には、「沿線の皆さまにご迷惑がかかる状況となった場合には、掲出を取りやめることを申し添えます」とも記していましたが、8月上旬に起きた今回の侵入事案を重く受け止めて、9月分から公表を取りやめたとしています。
しなの鉄道によりますと、行路表の公表は、10年以上続いていたということです。