
この日は広島市内の自動車学校「ロイヤルドライビングスクール広島」で、教習にあたるスタッフを相手に講演に臨みました。

松本里奈さん
「いつものように『いってくるわ』と一言玄関で言って、出ていきました」

いつも通り康志さんを見送りそれが最後の生きている姿だったこと…、案内された救急治療室でストレッチャーに寝かされていた康志さんは全身傷だらけガラスまみれだったこと…、自宅の冷蔵庫にはクリスマスに食べるはずだったケーキが残っていたこと…。

「事件」は、松本さんと、当時18歳と17歳だった子どもの普通の日常を奪い去りました。

松本里奈さん
「被害者側と違って、加害者になるかならないか、その選択は、自分自身で行うことができます」

スタッフたちに、ハンドルを握るということがどれだけ責任を伴うことなのかを、これから免許をとる人たちに話していってほしいと伝えました。

講演を聞いたスタッフ
「加害者側も被害者側も人生が左右されるという部分がすごく心に刺さった。来ていただいた教習生の方、全員に、それが伝わるようにとりいれていきたい」

講演を聞いたスタッフ
「小さな油断が大きな事故に繋がるということを伝えていけたら」

この日は広島修道大学に招かれ、社会学を学ぶ17人の学生たちに向けて講演です…。

松本里奈さん
「この時期、今ぐらいになると、イルミネーションとか出てくると、私たちはそれをできるだけ避けるように生活します。見てしまうと、つらくなってしまう…」

「私がこの思い、苦しみから解放されるときというのは、自分が死んだときなんだなと。一度、犯罪被害者や遺族になってしまうと、その立場は一生変わらないということ…、この思いっていうのは一生抱えて生きていかなければならないんだなと諦めたとき、覚悟したときから、少しずつ気持ちが強くなってきたと思います」

講義を聴いた学生は…。
女子学生
「当事者になったことがないので、どこか他人事に感じてしまう部分もあったけど、自分に起こるかもしれない、もしものことのために知っていくっていうのが一番大事だなと今回の講義で知ることができました。ありがとうございました」

==スタジオ==
松本さんが最初に講演をしたのは2015年でした。講演で話す内容には少しずつ変化がでてきているそうです。