孫が生まれ大好きなタバコをやめた

修さんには厳格で古風なところもあった。自分の考えを曲げず、子どもたちと衝突したことも少なくなかったという。しかし、孫が生まれ、大好きだったというタバコをやめた。家庭菜園を始め、退職後も新しいことに挑戦する姿を見ていた長男は「良い関係をこれからも継続できると確信していた」という。

事件当日は仕事をしていたが、母親(修さんの妻)から電話が来た瞬間、「死にまつわることだろう」という嫌な予感がしたという。修さんの訃報を伝える母の声は、「言葉にできないほど胸を締め付けるもの」だった。

長男:「リフォーム業者に殺される(注:罪状は強盗致死)など誰がそのような事態を想像できたか。違う業者にしておけば、リフォームなんてしなければよかった」と語り、業界への社会的信頼を落とし社会の安全を破壊するものだと話した。

佐藤被告は裁判で、修さんともみ合いになった当時について「酸欠で目の前が真っ白になった。その後は覚えていない」などと語っている。長男は、父親の最期を知る唯一の人物が被告であることを不本意だとし、その父の最期の姿さえも分からないということに対し「『悔しい』という単語では表せない」と語り、無念さをにじませた。

長男:「被告には、法が定める最上級の罰を与えてほしい、本件が命を軽んじる行為を未然に防ぐ礎になるよう心から祈る」