盗もうと決意したのは「事件当日」

弁護人:「いつ、現金を盗りたいと思ったか?」
佐藤被告:「事件当日だったと思う」
弁護人:「(事件前に購入した)ヤッケ(上着)はお金を盗るために買ったのか?」
佐藤被告:「違う。仕事のために買ったが事件に使ってしまった」
弁護人:「手袋などを100円ショップで買っているがこれはお金を盗るためか?」
佐藤被告:「違う。これも仕事のために買ったが事件に使ってしまった」
弁護人:「結束バンドや消毒スプレーは?」
佐藤被告:「仕事のため」
弁護人:「そのようなものは会社が用意してくれないのか?」
佐藤被告:「高額なものは会社が用意するが、低額のものは自分で買う」

佐藤被告が購入した結束バンドは10cmから15cmという短さだった。使用目的は「拘束するため」と供述した。佐藤被告は仕事がないにもかかわらず、事件の前日・前々日にも修さん宅の周辺を訪れた。その理由は「お金が気になっていた。体がそっちの方に向かった」からだ語る。

弁護人:「2月15日に被害者宅に行った後も葛藤は続いていたか?」
佐藤被告:「はい」
弁護人:「どんな葛藤か?」
佐藤被告:「お金を盗りたいという葛藤。日に日に気持ちが大きくなっていった」

事件を起こすか直前まで悩み葛藤しながら、事件前日・前々日も被害者宅の近辺に行ったという佐藤被告。そして事件当日、雪が降るなか車で被害者宅に行くと家の駐車場には車が止まっていなかった。