石破総理は日本を訪れているインドのモディ首相と半導体工場を視察しました。IT分野などで5万人の人材を受け入れるという目標を発表した石破総理ですが、インドの人材は日本にどのような力をもたらすのでしょうか。
石破総理はきょう、インドのモディ首相と新幹線に乗り、宮城県にある半導体の工場を訪れました。
両首脳はきのう、半導体などの分野で協力を強化する新たな枠組み「経済安全保障イニシアチブ」の創設で合意。これからのお互いの発展の鍵になると見ているのが「人的交流」です。
石破総理
「高度人材をはじめとするインド人材の力は、日本経済の成長、地方の創生に不可欠であります」
きのうの共同記者発表では、ITなどの分野で専門性の高い知識や技術を持つ高度な人材を中心に、5年間で5万人を受け入れるという目標を発表しました。
日本では、IT人材が2030年にはおよそ79万人不足すると予測されているなか、インドは今やIT大国とも呼ばれ、国際的にインドの人材の獲得競争が激しくなっています。
名古屋市でバルブなどの製造・販売を行う企業で働いているインド人のシャズさん。インドで理系の最高峰とされるインド工科大学を卒業し、新卒でこの企業に入りました。
高砂電気工業 シャズ・アリ・ジャベドさん
「機械工学と材料科学を専攻していた私にとって、ここでの研究は自分の専攻と合っていると感じ、とても魅力的だと思いました」
大学で開かれた就職フェアで日本人の社長から直接説明を受け、「専攻を活かせるこの会社なら、一緒に自分も成長できる」と考えて入社を決めたといいます。
3年前にインドでの採用を始めたこの企業の担当者は、“経済成長や人口の多さを考えると、ビジネスにはインド人の力も必要”と強調します。
高砂ホールディングス 人事担当(チーフ) 中野咲樹さん
「まだまだ発見できていないポテンシャル、会社さん、人、人材がインドにはたくさんいると思います。ものづくりを提供することでインドと日本が協力関係でやっていけるんじゃないかなと思います」
シャズさんのようなイスラム教徒の社員には、礼拝ができる場所や、肉を使わない食事を用意するなど、働きやすい環境づくりに努めています。
高砂電気工業 シャズ・アリ・ジャベドさん
「セールスエンジニアの仕事では、語学力を活かして人をつなぎ、日本との橋渡しをする役割を担っています。学んだ知識や経験を活かし、さまざまな企業同士をつなぐ『架け橋』として役立てていきたいです」
人口減少による働き手不足に悩む日本。インドの高度人材をどのように呼び込むかが今後のカギとなります。
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