青森地方最低賃金審議会は、青森県内の時給を現行の953円から76円引き上げ1029円とする答申を行いました。上げ幅は過去最大で、1000円を超えるのも初めてです。

使用者側と労働者側の要求に大きな隔たりがあり、異例の7回目の専門部会が開かれた青森地方最低賃金審議会がようやく結審しました。

このまま議論を続けても合意することは難しいとして、現在の最低賃金953円から76円引き上げて1029円とする案を審議会が示して採決を行い、使用者側が反対したものの賛成多数で議決。労働局への答申によって、青森県の最低賃金は初めて1000円を超える1029円となります。

中央審議会が示した目安よりも12円上げた理由については、人口流出に歯止めをかける地域間格差の是正や物価上昇などを考慮したとしています。

しかし、使用者側は納得できる内容ではないと主張します。

県経営者協会 小山田康雄 専務理事
「地方の中小企業、小規模事業者が(賃金を上げて)物価高対策を担う形になっていると受け止めているので、納得感がない結論ではないかと考えております」

また、新たな最低賃金が適用される日は11月21日とされましましたが「事業者にとっては給与体系の見直しなどが必要で間に合わない」と訴えています。

一方の労働者側は、要求額には届かなかったものの、今回の改定で東京都との格差が13円縮まったとして一定の評価に値すると話しました。

政府は、2020年代に最低賃金を全国平均1500円とする目標を示していています。