オーストラリアのアボット元首相がJNNのインタビューに応じ、日本とオーストラリアの防衛協力について、将来「同盟」のような条約が結ばれることが望ましいとの考えを示しました。

トニー・アボット元首相は26日、オーストラリア政府が新型フリゲート艦の導入計画をめぐり、日本の共同開発案を選定した理由について、日本の技術の高さだけでなく、予算内で期日通りに納品できる能力が評価されたとの見方を示しました。そのうえで、中国が海洋進出を強める中でのフリゲート艦の導入の重要性を強調しました。

オーストラリア アボット元首相
「オーストラリアが新型フリゲート艦をできるだけ早く手に入れることが非常に重要です。それが今後、数十年にわたりインド太平洋地域の平和と自由を守ることになるでしょう」

また、選定により、日本とオーストラリアの防衛協力がさらに深まり、将来「同盟」のような条約が2国間で正式に結ばれることが望ましいと述べました。

オーストラリア アボット元首相
「両国の関係の強さを踏まえれば、今後何らかの形で正式に制度化することは両国にとって良いことです」

さらに、アボット氏は日本がサイバーセキュリティ分野でも、オーストラリアやアメリカなどが機密情報を共有する枠組み「ファイブ・アイズ」との連携強化を進めていくべきだと強調しました。

オーストラリア アボット元首相
「日本やシンガポール、イスラエルといった国々が、より一層『ファイブ・アイズ』に協力していく姿を期待したいです」

一方、26日にオーストラリアを訪問した平将明サイバー安全保障担当大臣は、現状では2国間での連携が重要だと述べました。

平将明 サイバー安全保障担当大臣
「日英とか、日豪とか、もしかしたら『ファイブ・アイズ』ではありませんが、クワッドの枠組みの中でいけば日印とかですね。こういった2国間で連携強化をすることが私は重要だと思っています」