美術教育を受けていない人たちが既存の表現方法にとらわれず、自身の内側から湧き上がる衝動のままに表現した芸術を「アール・ブリュット」。



魚津市の新川文化ホールで開かれている美術展で、細胞のような不思議な模様が無数に描かれている作品が展示されています。

実はこの作品…圧倒的な密度を保ったまま、細長い紙に延々と。
ぐるっと壁を回っても延々と延々と不思議な模様が描かれています。

その長さは、なんと18メートル。
この作品を描いたのは高岡市の「自立サポートJam」に通うシノタケさん(36)です。

記者:
「今、何を描いているんですか?」
シノタケさん:
「さかな」
記者:
「これ全部魚ですか」
シノタケさん:
「うん」

自立サポートJamスタッフ・磯部円さん
「最初A4の紙とか渡してたんですけど、あっという間に描き終わるし物足りなさそうだったので、巻物を準備したら一心不乱に描いているので、それが私たちもうれしくて」
破れた部分には無造作にテープが貼られていて、創作の痕跡もそのまま作品の一部になっています。

展覧会を企画したばーと◎とやま 米田昌功さん:
「完成のクオリティっていうよりも自分の衝動をとにかく一つのカタチにするっていうところだけに専念してるような。しかもそれでいて、悔しいんですけど、美しいっていうところが凄いと思う。とてつもなく凄いと思います」

この美術展には、県内外の3つの福祉事業所の利用者を中心に、のべ52人の自由な表現を紹介しています。

どの作品からも作者それぞれの強いこだわりや好きなことが感じられますが、その強烈な個性を生かしながら、製品として販売されたり企業に採用されている作品も数多く展示されています。

ばーと◎とやま 米田昌功さん:
「何が製品で、何が作品で、何がゴミなのかよくわからないところがあって、でもそれが周りの人の見方だったりとか支援によってしっかりと社会につながって、その人が社会で活躍できるものになっていくっていう。(この美術展には)なぜそうなったのかなっていうヒントがいっぱい詰まっていると思っています」

この美術展「LOVE+PEACE+ART=?」は、今月31日まで新川文化ホール2階で開かれています。














