岸田総理は2021年の衆議院議員選挙で提出した収支報告書にただし書きのない空白の領収書が98枚あったことを認め、再発防止を事務所に指示したことを明らかにしました。
閣僚3人の辞任が続き、新大臣にも“政治とカネ”の疑惑が浮上。この窮地に内閣改造は行われるのでしょうか。
■岸田総理“空白の領収書”認める 政権へのダメージは?
ホラン千秋キャスター:
「ただし書き」が書かれていない空白の領収書について、98枚あったことがわかりました。この件は文春オンラインが報じて発覚しました。
文春オンラインは、▼2021年の衆議院選挙で広島県選挙管理委員会に提出した収支報告書に「宛名」「ただし書き」が不記載の空白の領収書が94枚あると指摘。▼公職選挙法違反の疑いがあると報じました。

領収書の扱いについて、公職選挙法ではどのように定められているのでしょうか?
<“領収書の記載” 公職選挙法では…>
「選挙運動に関する全ての支出について、金額・年月日・目的を記載した領収書など支出を示す書面を選挙管理委員会に提出する義務がある」
“ただし書きがない領収書”はここに違反しているのではないかという疑いが指摘されたわけです。

<“空白の領収書” 岸田事務所と総理は…>
岸田事務所
▼「去年の衆議院選挙で提出した『収支報告書』に、ただし書きのない“空白の領収書”が98枚あった」と公表
▼「今後このようなことがないよう、領収書の記載を確認するようにいたします」とコメント
岸田総理(11月24日 参院厚労委)
「選挙運動に関する支出は適正にされている。ただその添付書類である領収書の記載の一部に不十分な点があった」
→事務所に再発防止を指示。領収書の訂正、修正などについては選挙管理委員会と相談して適切に対応していく
■「空白」の領収書 総理のダメージはどれくらいあるのか
この空白の領収書について、どれくらいダメージがあるのかTBSスペシャルコメンテーターの星浩さんに伺いました。
星浩さん
「収支報告書に『空白』の領収書を添付する議員は与野党を問わず多い。ミスと言えばミスだが、岸田総理は、領収書の修正などについて『適切に対応する』と説明しており、“大きなダメージにはならないだろう”と本人は思っているようだ」

井上貴博キャスター:
総理大臣が全ての領収書をチェックするのは不可能だと思いますが、98枚という数と今、内閣支持率も低迷している中でのタイミングの悪さを感じます。
萩谷麻衣子弁護士:
法律が選挙運動費用について全ての領収書に目的や金額を書かなきゃいけないとしているのは、公正な支出がなされて、公正な選挙がされたかどうかを国民が検証できるようにするという国民主権や民主主義からの要請です。だから岸田さんがいくら公正に適正にしている、支出は適正だといったところでそれを国民が検証できなければ意味がない。そこは認識が薄いのかなと思います。
星さんの指摘で、与野党共に空白が多いということであれば、前から言われていることですけども選挙用にクレジットカードを作って全てクレジットカードで支出する。国民に対して国はデジタル化だと言っているので、ご自身たちもそれを徹底すればいいのになって。そうすれば明細書で明らかになるんじゃないかなとは思います。