先進国と比べ医療環境が十分でないカンボジアに小児医療センターを建設中の日本の国際NGOが、きょう都内で進捗報告を行いました。
出席した日本人医師は"重い病気に苦しむ子どもでも行きたいと思える病院を"と訴えました。
「ジャパンハート」創設者 吉岡秀人 医師
「大人たちが考えた理想の病院。でもそれは子供たちの理想の病院ではない」
こう語るのは、東南アジアのミャンマーやカンボジアなどで子どもの医療活動などを行う国際医療NGO「ジャパンハート」の創設者、吉岡秀人医師です。
「ジャパンハート」は現在、カンボジアの首都プノンペン近郊に新たな小児医療センターを建設中で、この日は、開院を10月末に控え、現地と中継をつなぐ形で進捗報告を行いました。
進捗説明
「PICUと呼ばれる集中治療室、これはまだだいぶ工事中なんですけれども、この広い空間にベッド5床が入る形になります」
ジャパンハートによると、カンボジアなど医療環境が十分でない低所得国は、小児がんにかかったときの5年生存率が約20%で、約80%の高所得国と比べて非常に低い状況にあります。
ジャパンハートはこの「生存率の格差」を縮めるため病院を建設していますが、吉岡医師は"重い病気に苦しむ子どもでも行きたくなる病院"を作りたいと話します。
「ジャパンハート」創設者 吉岡秀人 医師
「子どもたちが病院の中を行くときはゴーカートに乗ってるんです。点滴ぶら下げるところがあって、自分で運転してるみたいなね。検査でちょっと離れた場所行くときもそのゴーカートで一緒にいける」
また、吉岡医師は低所得国では経過を観察するため5年病院に通わないといけない病気でも、親が、1~2年問題なければ子どもを連れて来なくなる問題があると指摘し、その問題を解決するためにも"子どもが来たくなる病院が必要"と訴えました。
「ジャパンハート」創設者 吉岡秀人 医師
「1年2年経って大丈夫だったらもう来なくなる。本当にひどくなってまた来たときはもうこんな感じかってなることがある。でももしね、子どもたちが行きたいと言ったら来るでしょ。親なんか(子どもが)あそこの病院行ってみたいって言ったら来るんですよ」
このほか、吉岡医師は家族のメンタルケアや経済的支援など病気の治療以外の分野でもサポートしていく病院を目指すとしています。
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