全国ではクマによる被害が相次いでいます。宮崎県内の野生鳥獣被害についてです。
2億7425万円。これは、2023年度の野生鳥獣による県内の農林作物の被害額です。
こうした、鳥獣被害に対応するのが狩猟免許を持っているハンターですが、その数は高齢化により年々減少しています。
そんな中、宮崎市の企業が開発した対策グッズの売れ行きが好調なようです。
(岩佐美基さん)
「山の方から川を渡って、こちらのほうに来るんですよ」
延岡市北川町に住む岩佐美基さん。およそ7ヘクタールの田んぼでコメや飼料用のイネを育てています。
この時期、岩佐さんの頭を悩ませているのが、シカやイノシシによる作物への被害。夜になると、山から降りてきたシカやイノシシが、イネの実などを食べるということです。
(岩佐美基さん)
「5畝くらいの田んぼの半分がやられたことがある、イノシシから」
対策として岩佐さんが6年ほど前から設置しているのが電気柵です。
被害は以前よりも少なくなったものの、年に数回は、シカやイノシシが柵を超えて農作物に被害が出ていると言います。
(岩佐美基さん)
「イノシシ・シカの数が多くなってきた。ある程度、駆除しないと、年々の被害というのは大きくなるんじゃないか。だから、猟友会の人たちのメンバーがもっと多くなるといいと思う」
野生鳥獣による作物への被害に追い打ちをかけるのが狩猟者、いわゆるハンターの減少です。
県猟友会によりますと、県内の会員はピーク時の1978年には1万4700人余りでしたが、高齢化などにより年々減少。
現在は、およそ2800人と、ピーク時の5分の1となっています。
こうしたなか、有効な対策として注目されているのが、罠などの対策グッズです。
(refactory 福士憲吾さん)
「だいたい柵していますが、『それでもどうにもならない』ということで来る方が多いです」
宮崎市にあるrefactory。
こちらでは罠や電気柵など1000種類以上の鳥獣被害対策グッズを販売していて、全国から注文を受けています。
(refactory 福士憲吾さん)
「大前提、捕獲をするという行為に狩猟免許、罠猟免許がいりますので、一般の方でも罠猟免許持ってる人は、もちろん、罠使っていらっしゃいます、罠猟免許を持っていていても、11月から2月までの間、全国で期間は違いますが、その間で狩猟期間というのが定められていて一般的な人たちは、そこでやっている」
中でも、自社製品のシカやイノシシなどを捕獲するため使われるくくり罠は、シンプルな構造と価格が安価なことから、年間1万台を超えるペースで売れているといいます。
(refactory 福士憲吾さん)
「罠を販売している実感もそうですし、農業被害額も見て、そこを減らすことを目的にやってるので、僕らとしても、もっと敷居を低くできるような何か取り組みをしていけたらなといつも思ってやっている」
全国的に深刻化する野生鳥獣被害。ハンターが減少する中、あの手この手で対策がとられているようです。
県猟友会によりますと、高齢化に加え、暑さやマダニ対策でこの時期、外での活動が難しいそうで、猟銃ではなく、ワナによる捕獲に移行している人も多いということです。
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