今月(8月)初め、岡山市のとある建物の屋上に登場した天空のプールがSNSなどで話題になっています。一体、どこに? なぜプールが始まったのか。ある理由がありました。

「イェーイ」
色鮮やかな滑り台に大小さまざまなプール。多くの子どもたちで賑わっているのは岡山市中区藤原にある竜操整形外科病院の屋上です。

病院ということもあり、医療従事者が常駐。院内に休憩室や更衣室も設けられ、熱中症対策も万全です。

(記者)
「病院にプールがあるのはどう?」
(利用者)
「そりゃ、もう最高!楽しい!最高中の最高!」
「こどもにとって、なかなか病院って注射を打ったりとか、痛いところだったりするんですけど、遊ぶ場所があったら、また来ようかなってきっかけになるかなと思います」

竜操整形外科では、今月(8月)1日から屋上にプールを設置。子どもにも大人にも好評を得ています。病院として、アミューズメントと地域包括ケアを融合した全国的にも珍しい取組みだと言います。
(竜操整形外科 高柴賢一郎院長)
「運営はですね、うちの職員の有志が集まってNexKnotって会社を作って、彼らの旗印のもとがんばってやっています」

日本病院会など、6つの病院団体が行った2024年度の病院経営状況の調査によると、60%以上の病院で経常利益が赤字に。竜操整形外科も、物価高や経費の増加などで、経営は思わしくないといいます。そんな状況を改善するための取り組みの第1弾が天空のプールでした。入場料はこどもが1人300円、保護者は無料です。
(NexKnot(理学療法士) 川口直樹さん)
「医療と言ったら、ある程度限られたこと、出来ることが限られてくるので、病院からスタートアップとした企業を作って、そこでなかなか普段ではできないことをやっていこうと言うのが趣旨でこういう状態です」
初めて手掛けたプール運営。スタッフにも大きな変化があったと言います。
(NexKnot(理学療法士) 川口直樹さん)
「医療従事者の全体がそうなんですけど、人とのかかわりであったりとか、そういうのを大事にしているようになっていまして、別にけがでなくても病気でなくても病院に入ってこれるような、地域になじんだ病院にしていくという意味では、かなりこういう子どもの笑顔は僕らのエンジンにも、原動力にもなりますし、病院にしても大きな財産になっていくのではないかと思ってがんばっています」

(竜操整形外科 高柴賢一郎院長)
「病院事業をきちっとやるのは当然、患者さんの疾患に対して対応するとか、クオリティの高いものを提供するとかこれからも行っていきます。その中にですね、我々だから地域の皆さんに還元できる、提供できるということがあるという思いを持って、ご迷惑をおかけしながらになりますけど、出来るだけ模索しながらやっていけたらな」
患者に寄り添い、地域に根差し、病院を「行きたい場所」に…持続可能な地域医療につながる一手になるかもしれません。
*天空のプールは今月(8月)24日までだということです。