19日も厳しい残暑が続きましたが、この暑さで警戒が必要なのは熱中症だけではありません。今、猛威を振るっているのが新型コロナの新たなウイルス「ニンバス」です。感染するとカミソリを飲み込むような、強烈な喉の痛みが出ることもあるといいます。

幻想的な光に包まれた神奈川県の江島神社。

報告
「時折、涼しい風が流れる中、多くの方が楽しんでいます」

関東三大夜灯にも選ばれたライトアップイベント「江の島灯籠」です。1000基の灯籠が江の島の夏の夜を彩ります。

「綺麗だったよね」
「めっちゃ綺麗で幻想的で。南国みたいでしたね、行ったことないんですけど」
「夜の方が涼しいので、出やすいかな。(子どもの)体調のことも心配なので、夜お出かけ」
「昼に江の島に来るのは躊躇したんですけど、夜のイベントだったので、涼しくて来やすかった」

19日も厳しい残暑が続いた日本列島。35℃以上の猛暑日を観測したのは、東北から九州にかけて全国159地点にのぼりました。これで5日連続の猛暑日100地点超えです。

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「正午すぎの名古屋・栄に来ています。日向にいると肌に刺すような日差しが照りつけてきます」

「ムシムシするっていうよりかは、肌を直接攻撃されてるみたいな暑さ」

報告
「熊谷駅前です。朝から強い日差しが照りつけていて、気温がどんどん上がっています」

「6月から7、8月。3か月ぐらい暑いようなもん。まだ残暑が厳しいと思うよ。体調も良くないよ、睡眠不足」

埼玉県熊谷市では38℃、前橋市や甲府市などでも37℃を超える気温を観測しました。

この暑さ、つらいのは人間だけではありません。埼玉県狭山市の動物園では、ポニーが水をかけられ、この表情。

飼育員
「暑いから水かけて手入れしつつ、馬にも涼んでもらっている。涼しいなっていう顔をしていると思います」

子どもたちに人気なのが、テンジクネズミ。そばに凍らせたペットボトルを置くなどして暑さ対策を行っています。

お盆明けの厳しい暑さが続く中、医療の現場ではある事態も。

「お口あーん」

都内のクリニック。例年、夏場は落ち着くはずの診察室に、せきや喉の痛みを訴える患者が次々と押し寄せていました。

保護者
「保育園でお熱が出ちゃって、呼び出しがあった。ぜえぜえ言ってるので受診しました」

百日咳やインフルエンザなどの感染症に加えて、ここ最近増えているというのが、新型コロナの患者です。こちらのクリニックでは、去年は週に平均5人以下だったコロナ患者が、この数週間は10人を超える状況だといいます。

クリニックばんびぃに 時田章史 院長
「遡ると金曜日に1人いて、ここで1人。金曜日は2人いたかな。先週は立て続けに陽性者が多かった」

厚生労働省によりますと、今月10日までの1週間に報告されたコロナの患者数は8週連続で前の週より増加。

今、流行の中心とされるのが、オミクロン株から派生した“ニンバス”と呼ばれるウイルスです。その症状の特徴は、カミソリを飲み込んだかのような、強烈な喉の痛みだといいます。

クリニックばんびぃに 時田章史 院長
「喉の奥の方に炎症が強く出るので、ヒリヒリしたような。味覚障害で味が分からなかったりということが目立っていた時期があったが、今はそれよりかは、発熱とか喉の強い痛みというのがよく言われる症状」

別のクリニックで今月、コロナへの感染が判明したという40代の男性は。

コロナに感染した男性(40代)
「朝起きたら喉がすごく痛い。熱はない、倦怠感もない、味覚もある、食欲もある、でも喉が痛い。ガラス片を飲み込んでいるような、切れるような」

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「少し赤みがあって。コロナの抗原検査はしっかりと陽性です」

「ばんびぃに」の時田院長は、夏の猛暑も感染の拡大に影響している可能性があると話します。

クリニックばんびぃに 時田章史 院長
「暑いとかえって部屋の中でエアコンを効かせて換気が悪い中で過ごすという要素が入ると、やはり感染してしまいますね。暑い中でマスクするのも難しいので、そういうことも1つの要因」

では、この厳しい残暑はいったい、いつまで続くのでしょうか。

気象庁は19日、9月から11月の3か月予報を発表。“来月以降も気温が下がらず厳しい残暑が続く”との見通しを示しました。

気象庁 異常気象情報センター 及川義教 所長
「今回の予報の特徴としては、秋が深まっていくその季節の進行が遅い傾向が予測されている。暦の上では秋となっても、まだ熱中症に注意しなければならないような高温が予想されている。十分な熱中症対策を引き続きお願いします」

特に9月と10月は、全国で平年より気温が高くなると予想しています。