クマ駆除に賛否 苦情は道外からも… クマと人間は共生できる?

――クマを駆除することは賛成ですか?反対ですか?

駆除反対(50代女性)
「反対です。人間が環境破壊をして、だんだん(クマが)住めない環境を作っているんじゃないかと私はちょっと思っていて。人間のせいかなって思うところがあるから、私はそう思ってます」

駆除賛成(10代女性)
「人を襲ってしまったクマは駆除した方がいいのかなって思います。人が傷つけられてしまっているから、同じことを繰り返さないように駆除した方が良いと思います」

条件付き賛成(20代男性)
「場所によると思っていて、市街地の近くなら駆除しても良いと思うけど、例えば国立公園内とか、環境を守りましょうという目的のエリアだったら、駆除は反対かなと思います」

駆除賛成(20代女性)
「私は(駆除)賛成派です。(クマは)人の味を覚えると聞いたことがあるので、そうなった時に人が犠牲になって仕方ないとは思わないですし、住み分けするためにも必要かなと」

藤森キャスター:
それぞれ皆さんのご意見に「やっぱりそうだな」と思うところもあります。

また一方で、クマの駆除については、自治体に対する苦情が問題になっています。

北海道のヒグマ対策室に寄せられた意見には、「人を襲ったクマだとかいい加減なことを言うな」、「なんでもかんでもクマを殺すな」など。中には「お前らどんだけバカなんだ?いい加減にしろって無能集団が!」といった、職員の人格を否定するような暴言もありました。この多くが北海道外からの苦情メッセージだったということです。

小川キャスター:
クマといいますとテディベアだったり、さまざまなキャラクターで描かれたり、人間にとって身近な動物であるだけに、感情が揺さぶられてしまうというところも理解はできます。しかし、こうした誹謗中傷が職員の皆さんに向いて業務に支障が出るというのは、やはりあってはならないですよね。

伊沢さん:
もうここまで来るとエンタメ化してしまっている感じがします。「カスタマーハラスメント」という言葉も広がっていますが、それに当たるようなケースがあるのかなと。自治体のカスタマーハラスメント対策も今は進んできているので、もしかしたらそういったものに該当するケースも今後は出てくるかもしれないなとは思います。

やっぱりニューストピックとして非常に今、耳目を集めるケースにはなってきてますから、もちろんメディアの中でこういう議論を取り扱うのは有益なことですけど、(クマが)出ただけのニュースや、衝撃映像まがいのものが流れ過ぎるのはメディア環境としてもあまり良くないなとは思います。そういったクマの取り扱い方は今後、我々も考えていかなきゃいけないかなとは思います。

藤森キャスター:
人命に関わっていて、対策が必要だというところで議論するためにお伝えするということは、大切だとは思います。

酪農学園大学の佐藤喜和教授にお話を伺いました。

人間とクマの共生については、「人の生活圏の中に入ってきたクマはしっかりと駆除する。緊急対応の体制を作っておく」としたうえで、「草刈りや木を切ったり電気柵を設置するなどの予防策が必要」。ただ、ここには予算がかかるなど、いろいろ自治体だけでは限界があるのではないかという気もしますね。

小川キャスター:
安全と共存のバランスを何とかして図っていかなければならないと感じます。

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<プロフィール>
伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中