脱炭素社会の実現に向けた取り組みです。
「再造林」とは、人工林を伐採した跡地に再び苗木を植栽し、森林を作ることを言います。

森林にはCO2を吸収する、山での災害を防ぐなど多面的な機能が備わっていますが、造林費用の負担や担い手不足などを背景に宮崎県内の再造林率は7割程度にとどまっているのが現状です。


こうしたなか、宮崎銀行はそういった課題を解決しようと、新たな「再造林」事業に取り組むことになりました。どのようなものなのでしょうか。

宮崎銀行が、19日、発表した新事業。
それはNTT西日本グループのノウハウを活用しながら、「再造林」事業を通して、カーボンクレジットを自ら創出するというものです。

「カーボンクレジット」とは、企業などの環境活動による温室効果ガスの排出削減量や吸収量を数値化し、主に企業間などで売買できる仕組みのこと。

宮崎銀行によりますと、再造林によるカーボンクレジットの創出を手がけているのは、現在、全国で4例。
地方銀行が取り組むのは、全国初ということです。

(宮崎銀行 渡邊友樹常務)
「この地域の持続可能性を高める取り組みを自らやっていく、あるいは、自らリスクを取っていくっていうことが一つキーになる」

今回の事業では、まず、森林の所有者に伐採した土地の情報を専用のシステムに登録してもらい、宮崎銀行の子会社「withみやざき」が再造林を行う場所を選定します。

そして、契約を結んだ土地について無償で森林経営を請け負い、最終的には、創出されたカーボンクレジットを国の制度を活用し、企業に販売する計画です。

(宮崎銀行 渡邊友樹常務)
「インフラを担う企業同士が手を結ぶことによって、宮崎県が掲げております『再造林率日本一』の一助にも繋がるのではないかというふうに考えております。」

宮崎銀行では2年間かけて県内全域で実証実験を行う予定で、すでに、西都市の森林所有者と第一号の契約を結ぶことが決まっているということです。

再造林率日本一を目指している県は今回の取り組みについて「脱炭素社会への力強い歩みとなることを期待している」とコメントしています。

今後の展開に注目です。