
大嶺正次郎さん:
「(写真を飾っているのは)私の気持ち。娘には「父は生き残り」と書かせようかなと思っている。そうすることで、子孫に伝わるから」
「自分が生きて、子どもができた。それが私の後世へのバトンタッチ。『あなたたちが引き継ぐ番だよ』と。私はそういう運命だったんだと。そうとしか考えられない」
多くの子どもたちの未来を奪った戦争。大嶺さんはその記憶を語り継ぐことで、平和のバトンを託しています。
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大嶺さんだけでなく、沖縄戦を生き延びた多くの人々が “生き残った痛み” を抱えながら、戦後の80年を歩んできました。それでも、思い出すのも辛く苦しい記憶をあえて語るのは、戦争を知らない世代に託したい願いがあるから。
戦争経験者から直接話を聞ける最後の世代の私たちには、その声を受け止め、平和を守る “責任” が突きつけられています。