スマートフォンで注文するランチ給食サービスが、福岡県大野城市の公立中学校に導入されたことを、先日ご紹介しました。その後、さまざまな意見をいただいた中で、現在の給食のあり方に疑問があるという声が複数ありました。そこで改めて、大野城市の給食の現状や市民の声を取材し、より良い給食とはどんなものかを考えます。

◆「給食選択制度」大野城市が導入

大野城市の中学生たちが迎えた給食の時間。牛乳は全員に配られますが、それ以外の食事は、弁当やパン、デリバリーのランチ給食とさまざまです。大野城市は2005年から、お昼に何を食べるかを生徒と保護者が選ぶ「給食選択制度」を導入しました。市の調査によると、家から弁当を持ってくる生徒が全体の66%で、パンの購入が14%、1食250円のランチ給食を注文する生徒は20%となっています。


◆「完全給食」が望ましいと考える保護者も

選択制度には、生徒の体調や好みなどに合わせられるメリットがあります。しかし一方で、全員に同じ食事を提供する「完全給食」が望ましいと考える保護者もいます。

中学校のより良い給食を考える会 村田柳子代表「小学校のように、普通に学校に行けば子供が何も悩まずに、お昼ご飯が用意されている状況を目指しているんですけれども・・・」


◆完全給食・捕食給食・ミルク給食

文部科学省の定義では、給食の提供スタイルは3つに分けられます。主食とおかず、牛乳が提供される「完全給食」。主食は持参し、おかずと牛乳が提供される「捕食給食」。そして牛乳のみを提供する「ミルク給食」です。福岡県によると、公立の中学校で「ミルク給食」を実施している自治体は、大野城市、太宰府市、久山町、須恵町の4つです。

大野城市で、中学生全員への完全給食の実施を求めている市民団体は今年8月、市議会に請願書を提出しました。


◆“平等に格差なく” 

中学校のより良い給食を考える会@大野城 村田柳子代表「お弁当も用意してもらえないし、お金も渡してもらえない子も、もしかしたらいるかもしれない。そういった子供も安心して学校に行けば給食が食べられるという状況を作りたい」
丸山陽子副代表「いろんな家庭がある中で、平等に格差なく栄養をとることが義務教育の間では必要じゃないかな」