鹿児島県指宿市でことし6月、温泉の排水路に転落した36歳の男性が全身にやけどをして亡くなっていたことが分かりました。周辺には同じような水路が複数か所あるとして、市が注意を呼びかけています。

市や関係者などによりますと、ことし6月21日午前2時半ごろ、指宿市大牟礼の市道わきの排水路に、指宿市に住む36歳の男性が転落しているのが見つかりました。

排水路には周囲の温泉施設や住宅から源泉の湯が流れ込んでいて、男性は全身にやけどをし、病院に運ばれましたが、およそ10日後に亡くなりました。

男性の転落に気づいて救助にあたった近所の男性も、両足に全治2週間のやけどをしました。

(救助にあたった男性)「熱いと認識していたが、ここまで熱いと思わなかった。入ったとたん、熱くて飛び出したぐらいの熱さ。(ここは)通学路。子どもとかが入ったり落ちたりしたら大きな事故になるのではないか」

18日、男性が転落した場所で温度を測ってみると50度を超えました。市が行った調査では60度近い高温だったということです。

(近くの住民)「子どもたちがここをのぞき込んだりしたら大変(危ない)」

(近くの住民)「夫もここに落ちてしまった。草刈りをしているときに。熱い熱いと言っていた」

当時、現場の排水路沿いには高さ80センチほどのガードレールがありましたが、事故を受けて、市は今月から長さ120メートルにわたって高さ1.1メートルの柵を新たに設置しました。

同じような高温の排水路は市内に複数か所あるということです。市は調査を進め、柵の設置を検討していて、「転落すると高温で危険」として注意を呼びかけています。