周辺の店では危機感 「街全体を美術館に」休業中のアイデアも

「21美ショック」は周辺の事業者にも。美術館の敷地に隣接する店では危機感を募らせています。

九谷陶芸北山堂・高橋洋一朗さん「昨今21美を目当てに来られるお客様が非常に多い。特に世界各国から色々な方々が当店に来られている。その中で1年間休業というのは大打撃をこうむるんじゃないかと危機感は大きく抱いている」

創業145年の九谷陶芸北山堂。客足が減ることを見越して、休館期間に合わせて1階の内装をリニューアルすることにしました。

大規模な改装は30年以上ぶりだといいます。

九谷陶芸北山堂・高橋洋一朗さん「私どもも能登の震災でビル自体が結構傷んでいるのでこれを機会に直してより新しい魅力ある店にしていきたいなと」

こうした中、14日には美術館の休館期間のにぎわい創出について考える検討会が開かれました。

周辺の商店街や文化施設の代表者らが意見を交わしました。

金沢21世紀美術館 鷲田めるろ館長「このピンチを美術館が街に出ていくチャンスにしていきたいと思っている」

検討会では、美術館の収蔵品を徒歩圏内にある文化施設や広場・公園などまちなかに展示し、金沢の街全体を美術館とするようなプランが提案されました。

座長・金沢美術工芸大学 寺井剛敏副学長「外に出た分を芸術祭にできないかというアイデアもあった。金沢の街にどんどん21美のコンテンツが出ることで新しいにぎわい創出につながる可能性があるというチャンスを感じた」

周辺事業者も街全体のにぎわい創出に意欲を示します。

九谷陶芸北山堂 高橋洋一朗さん「危機と感じるのではなく1年間考える時間、猶予が与えられたと思って新しい魅力を創造していきたい」