毎年8月に、平和劇を上演している劇団があります。
演じるのは、ほとんどが小学生から高校生までの子供たち。
劇団を率いる22歳の女性は今年、原爆投下の広島と長崎で奇跡的に残った、12台のピアノをテーマに脚本を書きました。
「演じて伝えることで未来を変えたい」という若い世代の思いが観客の胸にせまります。
平和劇「とうちゃんのピアノ」

8月9日、福岡県糸島市の伊都文化会館で、平和劇「とうちゃんのピアノ」が上演されました。
舞台は、1930年代から現代までの広島の街。
のちに原爆が投下されて被爆するピアノと持ち主の家族らの姿が描かれています。

役を演じているのはほとんどが小学生から高校生の児童や生徒。

その子供たちの演技を客席の上から見守る1人の女性がいました。
伊藤迪佳さん(22)です。
代表を務める伊藤迪佳さん(22)
伊藤さんは、毎年8月に平和をテーマに創作劇を上演している「いとしまハローピースアクト」で今年4月から代表を務めています。

練習では、子供たちに演技指導も行います。

伊藤迪佳さん(22)
「1回息を吸って気をつけてみて。『なんで日本は負けたんですか?』『なんで広島はこんなになってしまったんですか?』」
4歳で入団後、自身も平和劇の舞台に立ってきましたが、現在は糸島市や福岡市から通う19人の子供たちにアドバイスを送る立場になりました。