感染拡大の要因は?

シカ・イノシシ・クマなどが人里近くにおりてくることで、動物に寄生するマダニも人の生活圏に近づきます。
また、アライグマ・キョンなどの特定外来生物も、市街地にマダニを運んでいるとみられています。
さらに、ペットを飼っている人も注意が必要です。
ネコ・イヌなどから人へ感染する可能性もあり、感染したペットの体液や血液に接触することで人にも感染するリスクがあります。
国立環境研究所 特命研究員 五箇公一氏:
基本的にマダニは野生動物の血を吸って生きています。
野生動物の体内にウイルスがあって、マダニがそのウイルスを人に媒介するということになります。
恵俊彰:
マダニにかまれるとすべてSFTSになるわけではないんですか?
国立環境研究所 特命研究員 五箇公一氏:
はい。地域によって差はありますが、全てのマダニがウイルスを持っているわけではありません(平均して数パーセントレベル)。
ただ、やはり九州や四国、中国地方に生息しているマダニに関してはかなりウイルスの保有率が高いと考えられるので、そういった地域においてはマダニに十分注意していただかなくてはなりません。
恵俊彰:
帰省などで西日本に移動する方もいらっしゃるでしょうし、ちょっと心配なのは北海道とか秋田とか茨城とか、今回新たに感染した例もあることですよね。これは今までもいたんですか?
国立環境研究所 特命研究員 五箇公一氏:
正直なところこういったエリアにおいては、これまでの調査でウイルスの保有率はそれほど高くないとされていました。
千葉県での調査事例によれば、シカやイノシシがウイルスを保有する割合が高まってきたのは2014年以降で、年々高くなっています。
明らかにウイルス自体が分布を広げているらしいということが示されています。